所有者(名義人)が死亡した放置自動車を土地の所有者が廃車にする方法
月極駐車場やコインパーキング、スーパーやコンビニなど商業施設の駐車場など、私有地に放置された車の対処について頭を悩ませている経営者、管理者などは多いと思います。
今回は放置自動車の所有者(名義人)を調べた結果、所有者(名義人)がすでに死亡してしまっているケースについて、その対処法などを解説します。
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所有者(名義人)が死亡している放置自動車であっても勝手に撤去してはいけない
まず、原則として抑えておくべきなのが、たとえ所有者(名義人)が死亡していると判明した放置自動車であっても、私有地の管理者や経営者の勝手な判断で撤去してはいけないということです。
基本的に新車登録から5年以上が経過した自動車に関しては「減価償却している(資産価値がない)」として扱われます。
基本的に「無価値」と判断できるものに関しては第三者であっても、「亡くなった人の残したゴミを処分する」という理屈で処分ができてしまうのです。
しかし、この「無価値」の判断をご自身で行い、ご自身で解体・撤去してしまうのは、非常に危険です。
なぜなら、次のように様々な可能性が潜んでいるためです。
- 相続人がいる可能性がある
- 車に価値があると判断される可能性がある
安易な自己判断によって、放置自動車を「無価値」として解体・撤去をしてしまうと、被害者であったはずなのに、加害者として訴えられたりする可能性も十分に考えられます。
そのため、原則として所有者(名義人)が死亡している放置自動車は自分自身の判断で勝手に撤去・解体をしないようにするのが原則です。
可能性1:相続人がいる可能性がある
所有者(名義人)が死亡した場合、基本的には相続が発生します。
つまり、その自動車の所有権を引き継いだ新しい所有者がいる可能性がある、ということです。
相続人がいる場合に勝手に撤去してしまうと放置自動車の被害者であるのにも関わらず、加害者として損害賠償請求をされてしまう可能性もあります。
また、所有者(名義人)の法定相続人に該当する誰かから、「相続放棄したので」と言われたとしても、法定相続人すべてが相続放棄をしているとは限りません。
そのため、所有者(名義人)が死亡している放置自動車であったとしても放置自動車を勝手に撤去してしまわないように注意しましょう。
可能性2:車に価値があると判断される場合がある
自動車は一般的に新車登録から5年以上が経過すれば、「減価償却されている無価値なもの」として判断される可能性が高くなります。
しかし、必ずしもそうでない場合もあります。
例えば、旧車など古くても希少価値がある場合などです。
「価値があるもの(財産)」と認められれば、相続人がいる場合には、相続した財産を勝手に撤去・解体されてしまったとして損害賠償請求をされてしまったり、相続人がいない場合も故人が生前に借金をしていた場合や自動車税などの滞納があれば、支払い請求をされてしまう可能性もあります。
そのため、「車に価値があるのかどうか」を個人でしてしまうと、思わぬトラブルに発展してしまう可能性があるのです。
故人に本当に相続人はいないのか、車に価値が本当にないのか、故人にお金を貸している債権者はいないのか、生前に自動車税などの滞納はしていないのか、などあらゆる観点から判断していく必要があるので、個人の判断で「車の価値」を決めてしまうのは非常に危険です。
専門業者や、弁護士などに相談をしながら判断していきましょう。
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弊社の経験豊富な顧問弁護士などと連携しながら、こういった判断を進めていきますので、放置自動車の「価値」の判断をする場合には、一度弊社(ビッグエイト)までご相談ください。
所有者(名義人)が死亡している放置自動車の適切な対処手順
所有者(名義人)が死亡している放置自動車に対しては、放置自動車の価値があるかどうかの前に次のような2つのケースが考えられます。
- ケース1:相続人がいる場合
- ケース2:法定相続人すべてが相続放棄している場合
いずれにしても、まずは法定相続人がいないかどうか、法定相続人がすべて相続放棄を本当にしているのかどうかを確かめることが必須です。
それを調べるためには、所有者(名義人)の戸籍を調査する必要があります。
戸籍を調査して、まずは相続人がいるかどうかを調べましょう。
もし死亡した所有者(名義人)との間に利害関係がある場合(月極駐車場の貸主と借主、コインパーキングの所有者と利用者など)は、所有者(名義人)の生前最後の住所を管轄する家庭裁判所に「相続放棄・限定承認の有無照会」手続きを申請するという方法でも、相続放棄されているのかどうかを調べることができます。
相続人の有無、相続放棄について調査できたら、相続人がいた場合(相続したつもりがなくても、法定相続人であり相続放棄をしていなかった場合も含む)、法定相続人が全て相続放棄をしていた場合で、それぞれ次のような対処をしていきます。
対処法1:相続人がいる場合
相続人がいる場合は、新しい所有者がいるということですので、相続人の住所を特定し、車の撤去や解体を行う旨を内容証明郵便にて通知します。
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後日、請求書だけ送って振り込んでくれれば儲けものというスタンスで臨みましょう。
そのまま撤去や解体に応じてくれれば、車の価値判断をして、無価値と判断できれば、そのまま解体・撤去を行うことが可能です。
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債権者がいた場合、自動車税の滞納があった場合、などあらゆる検証をし、慎重に判断しなければなりません。
個人でできる範疇を超えていますので、放置自動車の価値判断については、弊社(ビッグエイト)までご相談ください。
内容証明郵便を送って受け取っていることは確認できたが返事がないことや受け取り拒否されて戻ってくるということも十分考えられます。
その場合は、「所有者が撤去や解体を了承した」とみなすことができますが、後から言いがかりをつけられる場合もあります。
そのため、自己判断ではなく弊社(ビッグエイト)のようあん専門業者や、弁護士などに相談しながら行うのが無難です。
対処法2:法定相続人すべてが相続放棄している場合
法定相続人すべてが相続放棄していることが判明した場合は、所有者不明の無主物(むしゅぶつ)として、土地所有者などが放置自動車の所有権を取得することができます。
結果的に所有者となった土地の所有者などが自由に解体・撤去できるという流れです。
しかし、この一連の手続きには、踏まなければならない手順があったり、車の資産価値が明らかにある新しい車の場合は、故人の債権者や税金の滞納などがないかどうかを確認したり、所在不明の所有者を相手に裁判(「妨害排除請求訴訟」「損害賠償請求訴訟」の提訴、自動車競売の申立てなど)をしなければならなかったり、専門知識が必要不可欠です。
そのため、個人の判断で無主物と断定して、解体・撤去をするのは危険です。思わぬトラブルに巻き込まれたり、突然訴えられたりする可能性も十分に考えられます。
無主物に該当するかどうかの判断は、弊社(ビッグエイト)のような専門業者か、弁護士などに相談した上で行なっていきましょう。
所有者(名義人)が死亡した放置自動車撤去の流れ
通常でしたら7営業日以内でのお引取りが可能です。
ほとんどのケースでお車の買い取りが可能ですが(※軽自動車を除く)、車の鍵がない場合は撤去費用をいただくことがございます。
撤去時に『(金額の明細が記入された)引取り証明書』をお渡しします。
所有者(名義人)が死亡した放置自動車撤去にかかる費用
車を先に撤去し、必要書類は後日の郵送でもご対応できます。
また、車の鍵があればほとんどのケースで車の買い取りが可能です。
「駐車場の住所」「車の鍵の有無」「車検証」の情報をいただければ、現地に行くことなく、お電話でお見積りできます。
弊社が陸運局で抹消手続きした時点で、車検が1ヶ月と12日以上残っている場合は、車両本体だけでなく、重量税・自賠責保険の未使用分も買い取り致します。
また、自動車税の還付手続きも代行しています。
返金額は車の排気量・車両重量・車検の残り月数によっては異なります。個別にお問い合わせください。
買取金額振り込みまでの手順
撤去した放置自動車の買取金額は次のような①〜③の流れでお振り込みいたします。
- 陸運局の手続きが終わりましたら、証明書のコピーをご郵送します。
- 車両の解体が完了した後に陸運局での手続きを行ないます。当社に必要書類が到着してから、手続き完了までに約3週間かかります。
- 手続き完了から3営業日以内に買取金額をお振込みいたします。
車の解体は以下よりご確認できます。
引き取り後の車両の処理状況 |
所有者(名義人)が死亡していた場合の放置自動車でお困りなら、ビッグエイトにお任せください!
放置自動車の撤去は、原則として勝手に行なってはいけません。
また、放置自動車の撤去には必要な手順を踏まなければならなかったり、専門知識が必要不可欠です。
一歩間違えると、被害者なのにも関わらず、加害者として訴えられる可能性も十分考えられます。
放置自動車の所有者(名義人)が死亡しており、どうすればいいか分からない場合には、早い段階で弊社(ビッグエイト)にご相談ください。
弊社(ビッグエイト)は、これまで放置自動車バスターとして年間百数十件以上の放置自動車の撤去を行なっております。
所有者(名義人)が死亡している放置自動車の撤去経験も豊富ですので、まずはお気軽にご相談ください。
2025年02月15日
査定額をチェックお客様の電話番号入力不要!
廃車買取りからお支払いまでの流れ廃車買取の流れを詳しく見る
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