相続放棄をしたら抹消手続きは不要?
「相続放棄したけれど、車の抹消手続きはした方が良いでしょうか?」
という質問をよくいただくことがあります。
相続放棄後、廃車の手続きをしないままでいると、
「もしかして、何らかのペナルティーや罰則があるかも?」
というご不安を抱く方が一定数いらっしゃると思います。
そこで、今回は、相続放棄と廃車手続きの関係について詳しくご説明いたします。
結論から先に申し上げますと、相続放棄をしたら抹消手続きは不要です。
しないことによる罰則もありません。むしろ手続きをしてはいけません。
この一言で納得していただける方は以後読み飛ばしていただいて構いません。
しかし、「それだと何となく不安」「きちんとした説明を知りたい」という方は、このまま読み進めてください。
一般的な廃車の手続きは3つある
一般的に廃車手続き(=抹消登録)を行なう場合、以下の3つの方法がございます。
<1>廃車の手続き(一時抹消登録)
<2>永久抹消登録
<3>手続きをせず解体のみ行なう
先にお伝えしますと、お勧めは<3>です。
<1>廃車の手続き(一時抹消登録)とは
通常、車の所有者が亡くなった場合、その配偶者又は子供が相続人となって陸運局(普通車の場合)や軽自動車検査協会(軽自動車の場合)で廃車手続きを行ないます。
その場合は以下の書類をご用意いただきます。
【普通車の場合】
■印鑑証明書
相続人代表者1名の印鑑証明書を1通
■戸籍謄本
相続人代表者と被相続人の関係性と被相続人の死亡が確認できるもの
法定相続情報または除籍謄本でも代用が可能
■遺産分割協議書又は遺産分割協議成立申立書
お車の査定金額が100万円以上の場合は「遺産分割協議書」、100万円以下の場合は「遺産分割協議成立申立書」が必要です。
⇒ 詳しくはこちらをご参照ください。
⇒ 軽自動車の場合はこちらをご参照ください。
~遺産分割協議成立申立書の落とし穴~
このように抹消手続きでは、車の市場価値に応じて
「遺産分割協議書」または「遺産分割協議成立申立書」
を提出しますが、これらの書類には以下の文言が含まれます。
「車の所有車〇〇の死亡により、相続を開始し、相続人全員で遺産分割協議を行なった結果、〇〇(相続人名)が相続することで協議が成立した。」
相続放棄をした場合、相続人ではないので、遺産を分割する協議は行いません。
しかし、上記の書類の内容には、「私が相続人です」と宣言するようなものになっています。
この書類に、署名し、実印で押印した上で、陸運局に提出することで、実態としては、市場価値の無い車を処分するだけだとしても、故人の債権者から相続放棄の無効を主張されてしまう危険性があるため、避けた方が良いでしょう。
<2>永久抹消登録とは
永久抹消登録とは車を解体した後で、陸運局で行なう抹消手続きです。
この場合には、相続人代表者1名の印鑑証明書が必要ですが、一時抹消時のような「遺産分割協議書」あるいは「遺産分割協議成立申立書」の提出は不要です。
永久抹消登録に必要な書類はこちらをご参照ください。
ただし、依頼者様の印鑑証明書等の提出や実印での押印が必要です。
誰が抹消手続きをしたのかの記録は残りますので、あまりお勧めできません。
<3>陸運局・軽自動車検査協会での手続きをしないで廃車する
元々、相続放棄されている場合、故人の車を処分する義務はありません。
むしろ、法律上、相続放棄を行なうと相続人ではなくなるため、リスクを考えると故人の財産を処分しない方がともいえます。
しかし、自宅の駐車場に故人の車が停められたままになっていたり、あるいは駐車場のオーナーから強く催促されて、どのように対処すればいいのかわからないケースもあると思います。
このような場合、当社では以下の理由から陸運局・軽自動車検査協会での手続きをしないで廃車することをお勧めしています。
■そもそも抹消手続きをしないことによる罰則がない
相続人が相続放棄をしている場合、抹消手続きを行なう義務はありません。
また、もし、相続していた場合でも、手続きをしないことによって罰金を請求されたり、何等かのペナルティを課されることはありません。
陸運局や軽自動車検査協会には、職権抹消という制度があり、車検が切れて一定期間経過した車を自動的に廃車扱いにする制度があります。
■車両の解体そのものは正規の手順を踏むことで行政と情報が共有されている。
当社では、正規の手順を踏んで車を解体します。
そうしますと、その情報は陸運局・軽自動車検査協会・自動車税・市区町村の課税課とその情報が共有されます。つまり、そこで自動車税を止めることも可能です。
■ナンバープレートの扱い
ナンバープレートは所謂抹消手続きを行なわないと、陸運局や軽自動車検査協会での返納はできません。
防犯の観点からも、抹消手続きを行なわなくても、車の解体が確認されている車に限り、ナンバープレートの返納を受け付けるべきと当社では考えていますが、陸運局や軽自動車検査協会では、抹消手続きを行なう車に限り、ナンバープレートの返納を認めるという立場です。
このような事情から当社では、車両の撤去から1年間、そのナンバープレートを保管し、その後、厳正に処分しています。
まとめ
今回は、相続放棄後に廃車手続きをしたいときの3つの処分方法について紹介していきました。
相続放棄を行なうと、故人の車は処分できないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、条件次第では十分に処分することが可能です。
当社では、処分に困った車の廃車の手続きを積極的に行なっておりますのでお困りの方は、お気軽にご相談ください。